人民日報は最近は心が疲れた人々に寄り添うチキンスープと呼ばれる癒し系の内容が豊富なのだが、人々のトラブル多き結婚にもアドバイスを提供している。
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円満な結婚に必要な秘訣は二つのことだけ。
それは、「(パートナーへの)「敵意のない確固たる態度」!
(不带敌意的坚定)
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なるほど。敵意ですか。すごいね、これは。
近くの人には多くを期待するからその分鋭く批判してしまうという本質はあるのだが、この表現は分かりやすい。
もう一つは結婚の秘訣その2は「表面的な魅力や一時的な情熱に依存しない、深い情にある」(不带诱惑的深情)
こちらは確かにそうだ。
まあ、逆さに読めば、いかに相手に敵意を抱いてしまう人が多いか?ということだろう。
中国の離婚率のピークは2019年。(以下全て人口千対)3.4まで急増し、世界トップクラスだった。ただ、そこで国が動き、コロナと2021年の民法の離婚手続きクールオフ制度(強制的に1ヶ月待たされる)の導入により22年は2まで一気に激減。23は 2.6に増え最近は更に増加傾向だ。日本は約1.7。女性の経済的独立もあるし、一人っ子でお互い我慢しないこともあろうが、とにかく中国はかなり多い。
今は、そもそも結婚する人が激減してきている。結婚率は2013年(9.9)から22年にはほぼ半減(4.8)。23年は2021年と同じ5.4に若干増加に転じたが今年24年はまた減っているので目が離せない。
ただ注意も必要。変化は劇的だが、絶対値をみると、結婚率はまだ日本(3.9)より高い。日本より多くが結婚し、離婚も多いということだ。
いやはや、アドバイスを見るだけで結婚したくなくなる、ドキっとするチキンスープである。
これ、本日の北京なり。
追伸:「敵意」という言葉に反応してしまったが、実はこれは原典があった。ハインツ・コフート(Heinz Kohut, 1913年 - 1981年オーストリア生まれの精神分析学者で自我心理学や精神分析の一分野である「自体心理学(Self Psychology)」の創始者)が子育て時に親が持つべき資質という文脈で言っていることばのパクリである。