本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

She Shanghaied him!

上海はご存知、2500万人が住む中国一国際的な4つの直轄市の一つ。北京が北方のモンゴル族など辺境の多民族王朝の首都を経験しセミ砂漠の乾いた大地で巨大な権力の中心地になってきたのとは対照的に、上海は緯度もほとんど東京と同じ気候。1930年代にはNYとロンドンと並ぶ世界の3つの魔都だった歴史をもつ。この上海の100年前の記憶はすごいもので、今でも徹底した国際的な合理主義や美意識に裏打ちされた資本主義爛熟の持つドスのきいた華やかさとその腐った黒い部分の両方を持っているように思う。

 

そこで、この題名に使った上海という動詞だが、これは「騙して何かをさせる」という意味で使われる英語らしい。すごい。この動詞を目にしたのは24年1月1号のニューヨーカー誌のHow Did Polyamory Become so Popular?という記事だ。HBOのストーリーで、主人公の女性が新婚相手を境のない自由な性の交易場に騙して招き入れたという文脈だ。こんな話がHBOなんていうメジャーな娯楽ドラマのストーリーとして登場しているというのだ。

 

昨日北京の大使館街で会った知人も彼女の仲の良い北京市に住むお金持ちの親を持つアラフォーのママ(子供とマッチョでかっこいい旦那さん持ち)が次々に「境」を超えた関係に陥っていると話す。その彼女のお相手たち(これまでに3人)もみんな既婚者でそんなに見た目は良くない子持ち男性だそうだ。満たされないものがあるから求めてしまうらしい。この女性は親の脛で食べていけるので、自分も仕事もしていない。ご苦労無しで経験が薄いが素直なタイプの感じの良い女性という。

 

他にも北京の外資系の同じくらいの年の人たちの食事会に誘われて行ったら、単なる食事ではなくスワップ相手マッチング?も兼ねた会だったと分かって、逃げ出してきたとか。みんなそれなりに稼いでいる既婚者たちが既成の境を無視して活動しているのだ。

 

いやはや、噂にはこの大地でもあちこちで不倫がすごいよと聞いてはいたが、そんなに身近にあると聞いてのけぞった。中国にも日本と同じように境のない!仁義なき!結婚ボーダレスな人々が一部にはいるようだ。

 

さっきの雑誌はアメリカのメジャー娯楽・文化でもそういうもはや夫婦の2人だけではなく、3人や4人から成る結婚?!を描いたものが大衆化しつつあると指摘する。外部の刺激が介入することで、逆に結婚という煮詰まりやすいInstituionがより強固にされるのじゃ、という主張も紹介している。まあ、確かにそういう一面はあるだろうが、これをどう理解すべきなのか?高度な友情じゃだめなのかな?

 

上海の友人にも聞いて考えてみようと思う。

これ、本日の北京なり。