本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

不動産、大丈夫か?これが噂の「鬼城」

河南の旅その2。なんでも巨大な人工的施設が溢れる河南。

鄭州から車で開封に移動。鄭州の街が見えてきた所からのっぽの巨大団地がニョキニョキと建っている。しかし、よ〜く見ると窓がなかったり、窓はあっても、エアコンが取り付けてあるのはごく一部だったりと、人気(ひとけ)が全くない。更にその付近には工事途中のまま放置されている巨大アパート群もある。半ゴースト物件が主要道路脇にずっと続いている。これは噂の「鬼城」じゃないか!

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鄭州の友人曰く、不動産バブルのころはこの辺りの新開発地区の不動産物件は人気で、鄭州からやってきて転がす投資目的で買い漁り、1m3、15,000元(約30万円)の値がついていたが、今は8000元でも売れないという。つまり、半額に値減りしているのだ。(つまり、100平方メートルの部屋なら3000万円だったのが今はそれが半分になっても売れ残っている物件となる)

かつては一面の麦畑だったのだろうか、何もない所にいきなり巨大マンション群を建てた感がアリアリで、人が住む温もりがない。地元の友人は”不适合人生活的环境“と言っていたが、まさに何も考えずにとにかくバブルだ、建てろ〜と建てて、今は放置。こういうスケールのでかいデタラメがおこるのもこの土地ならでは。誰も責任を負わないのだろうか?相続税とか不動産税がないからできる業でもある。

 

一例として鄭州市の経済を見た場合、鄭州の不動産依存度は29%と全国主要都市トップ。不動産開発投資は去年は19%減で景気は良くない。GDP 成長率(名目)は1.9%で、全国の24の兆G D P大都市のうち最下位。デタラメにロックダウンをしまくったゼロコロナでかなり影響が出ている。

 

鄭州といえば、人口900万人強(=人口1億人の河南省の16%)の省都だ。開封よりずっと経済力のある鄭州でこれだから、人口500万人弱の開封は言うまでもないだろう。経済の良くなさは歩いてみればあきらかだ。平日の午前中に巡った観光・若者むけストリートの書店街もショッピング街もほとんど無人状態で開店していない店も多かった。

 

ただ、物価は北京よりガクンと安い。タクシーの初乗りは7元で北京の約半額。市内の少し寂れた繁塔(これ自体は10世紀北宋時代にできた由緒ある石塔なのだが、ほとんど忘れ去られている)近くのレストランでした食事は十人分で300元以下!(北京だったら、二人で同じ値段だ)河南大学付近の有名なナイトマーケットに行ったが、こちらはみんな安い。毎日縁日みたいでこういうスローライフがあるのは素晴らしい。

 

街では電動シェアバイクが普及していて、私も乗ってみた。快適じゃないか!でもこちらはゾーン制なのか6元(120円)とられた上、駐車場が見つけれらず違反移動費用として15元、合わせて21元(420円)。タクシー以上についてしまった。

 

開封や鄭州に住んだらどうだろうね?と話していたが、生活費は北京の半分以下で抑えられるかもしれない、お金は掛からないだろう。ただ、ドロドロした地元感が強く、政府も北京以上にやりたい放題っぽい。予測不可能性が北京より高いな、と連れはいう。そして一番困るのはやっぱり友達。友人が生活の質を決めるからね。食べ物も北京よりは豊富だけど、広東や四川のようにすごく美味しいというわけでもなく、おしゃれ感も自然な田舎感もいずれも足りない。となると、やっぱりここには住みたいとは思わない。

 

地方から北京を見ると、全然違う景色が見える。もっともっと地方に行って知らねばと感じた旅だった。これ、本日の開封なり。