本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

河南省の旅ーー1億の民、世界の小麦生産の18分の1を作る肥沃・巨大・人工の大地

春風に吹かれて、河南省に行ってきた。北京西駅から時速350キロでたった2時間半で約700キロ先の鄭州に到着(東京ー京都の約倍の距離)。30分おきに発車する高速鉄道の2等車で370元。便利で速い。そこから車で1時間強で50キロ移動して古都開封も行った。

 

2020年の河南省の小麦生産量は750億斤(=375億キロ)で、中国の約3分の1、中国は世界の小麦生産の6分の1なので、ざっと世界の18分の1を生産している計算になる。肥沃な黄河沿いの大地で、東西と南北の交通が交わる中国の交差点だ。

 

鄭州東駅は巨大で、空港並みの大きさ。なんといっても1億人が住み、1600万人が外に出稼ぎに出ている(子供人口の比率23%は全国4位なのに、労働人口は59%で全国最下位)。今や高速鉄道に乗るのに、紙の切符は不要で、駅構内への入退場は全てID  カード。私はパスポートをスキャンする。19年に天津に行った時はまだ完全にはシステム化されていなかったが、今回のコロナで完全にIDカード化が完成していた。

(因みに、これで誰が、誰と隣でいつどこへ行ったか、すぐにチェックできる。ホテルチェックインは更に顔認証もマスト。観光施設やお寺に行くのもIDによる完全実名制が全国で完全に導入された。水も漏らさぬ完全管理システムの完了だ。)

f:id:Beijingjing:20230404152312j:image
f:id:Beijingjing:20230404152315j:image

そして、2021年6月に鄭州の郊外8キロに60億元を費やして開園したばかりの巨大観光・娯楽施設の「只有河南」(すごい名前!)に行った。面積は622ム。21の劇場でジャン・イモーの弟子の王潮歌が監督デザイン創作した劇を上演している。うち、2つを観た。意外にも色彩、衣装、照明が美しい。CCTV と街の広告に溢れるマッカッカがない。(もう、それだけで高く評価してしまう。その位、私の基準値は低くなっている。悲しい現実。)

ストーリーは河南の歴史的文物と現代の我々が交流するチックの話で日本で上映しても受け入れられるであろう一定の水準に達したものだった。つまり、テーマは愛コクではなく愛郷とその歴史。(似て非なるこの二つ。緊張関係にもなり得る微妙な関柄だ。)

f:id:Beijingjing:20230404152527j:image
f:id:Beijingjing:20230404152540j:image
f:id:Beijingjing:20230404152531j:image
f:id:Beijingjing:20230404152534j:image
f:id:Beijingjing:20230404152537j:image
f:id:Beijingjing:20230404152544j:image

意味なく、大規模に仕掛け舞台になっていたりするところが、今どき風でごちゃごちゃしているが、まあ全体としては綺麗にできている。そして演者のちょっとした踊りとか動作が上手い。中国の人材は豊富だ。小麦の大地の巨大施設の巨大なエンタメ。北京では見られない中国中原。

これ、本日の河南なり。