本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

宿題は誰がやるの?

中国の宿題は親が中心になって子供と二人三脚でやるもの、と最初から親も先生もーーその結果、子どもも、思っている。

 

大体、宿題のお知らせが親の微信にくる。もう10歳を過ぎたらチビじゃ無いのだし、本人だけに言って欲しいが、そんなことは平均的な北京の親は思わない。

 

息子の中学校は非常にゆるい学校なのだが、自己紹介の資料を作れという宿題が夏休み中に出た。

 

誕生日、趣味、特技、性格、などを2、3枚のパワーポイントにまとめたのが多い。すると、あるガリ勉ファミリーからは「親から見た〇〇」という欄を作って、パパやママが我が子について「〇〇は自分に厳しく、成績優秀で、善良で、親孝行です。」とか「あなたは礼儀正しく先生を敬い、人を助け、団結する朗らかな子です」とか、褒めまくる記載が。パワポも写真がいっぱいで、明らかに親が作ったかんじ。

 

でもあれ、これって、子供たちの自己紹介じゃなかったっけ?

 

北京一と言われる名門に通うお母さんから聞いた話は、もっとすごい。我が子の学校は普通だから少ないが、名門となると、やる気満々の親の比率が断然、高くなる。子供の競争の勝敗を決めるのは親と言っても過言ではない。率先してガンガン親が子供の宿題を手伝う。もはや、親の宿題と言っても良いかもしれない。

 

生物の宿題でゾウリムシを見つけてこい、という宿題がでたら、タオバオで買ってきたクラスメートがいたという。お金で成績がかえるなら、安い、というのが猛烈校に通う猛烈親の常識なのかもしれない。

 

とにかく、子供が自ら学ぶプロセスではなくて、完璧な成績・目に見える結果を今出して、競争に勝つ、というのができる学校の超功利主義に支配された雰囲気だ。そのためには親が子供と二人三脚でなんでもやる。

 

この中に入ってしまうと手伝わないで子供が落ちこぼれたら一生が台無し、と思ってじっとはしていられないらしい。そのジレンマもわかるが。(実際、全て自分でやった我が子の自己紹介は「簡単すぎる」と言われてしまった。しょっぱなから印象悪い。)

いやはや。

 

でも、やっぱり、少し離れて見れば、間違いなく間違っているよね。

親が子供以上にドキドキして宿題をこなすのは。

 

これ、本日の北京なり。