本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

賢くないと生きられない?自己批判と他人批判のウルトラC

とある有名大学の教授の友人との会話。彼は党員ではないが、彼の同僚たちがこんなことを言っているという話。党員の会議では、自己批判がマストだそうだ。(おそろし~)

 

「自己批判しないとは党に忠誠を尽くしていない」、と怒られる。そこで、やむなく自己批判をする。こんな風にするらしい。「私は反省してます。私は怠け癖があります。本来なら授業の15分前には着いて準備をすべきなのに、いつも私は自分の怠惰な性に負けて、授業開始時間ぴったりに出勤するという有様です。そんな怠け者の私の性格をを批判します!」

 

なるほど。これなら言っても自分は傷つかない。

もっと高度な技を求められるのが、他人への批判だ。「自分だけの批判では不十分だ、他人への批判もするべし」と迫られたらどうするか?本当に嫌な強制だ。しかし、そんなことで気をもんでいては中国では生きられない。この模範解答を見よ!

 

「私は上司を批判したいと思います。私の上司はとても良くない癖があります。これは職場全体にも悪影響を与える可能性があります。本来ならもっと早く仕事を切り上げて帰宅すべきなのに、彼は先週も10時過ぎまで一人で残業をしていました。しかも、これは今までにも何度も起きています。万が一体を害した場合の組織全体への影響や自分の健康や家庭を顧みず、仕事を長時間するのは良くないので、彼のこうした行為を批判したいと思います。」

 

なるほど~。レベルが高い。これって単なるごますり?

批判めいていて実は胡麻をする、というすごいウルトラCだ。こういう詭弁を毎日訓練しているのだから、腕も上がるはず。よくまあ、精神分裂症にならずに頑張れるものだ。その辺は彼らの生きるためのタフさによるのか、長年養った免疫によるのか、単なる鈍感力なのか?本当に謎だ。

これ本日の北京なり。