一体何の事だかお分かりだろうか?
娘の小学校のクラス委員だったCちゃんのお父さんが今朝回した動画に出てくるセリフだ。Cちゃんは賢く努力家で感じの良い子。北京の小、中半分までいて、大学受験のために田舎に帰り今は高3の受験生だ。お父さんはさぞかし、こういう心境なのだろう。
動画は、ボブに切りそろえて美人な30代の先生が高3の生徒に叱咤激励する。背後には青春辛し美しと言わんばかりのフォークソングが流れる。
「あんたたちは権力無し、金なし、力無しの3無人間なのよ。
大学らしい大学に行って、良い仕事に就かない限り、どうするつもり?
目覚めなさい、しっかりして、目を見開いて競争よ。
辛くも苦しくもない高3は無味だし、必死に命賭けでやらないなら生きる意味もない。
だから、たとえ頭から血を流してでも一流大学に入って頂戴。
一点高ければ1万人を倒すこともできるかも知れない。1万人よ、分かる?
限界まで頑張れるなら頑張る、無理なら死んでもやる。
覚えておきなさい、あなたが一人疲れ果てることで、あなたの一家は幸せになる。
釜を壊し船を沈め、朝から晩まで命がけで、
背水の陣で後悔のない努力をしなさい。」
と声と命を振り絞って叫んでいる。
この動画は10万回以上回覧され、4000以上のコメントがあり、99%が「素晴らしい先生だ、今ではこういう先生は減っている、居ない。」との讃頌の嵐。
教育は何も持っていない田舎の子にとって、唯一中央(すなわち上流)進出の道で、一家の幸せを背負って、背水の陣で命がけでやるもの、と言う中国の最もオーソドックスな教育観がはっきり出ている。
背に腹は代えられぬ、これが現実なのだろう。これまでもこう叱咤激励されて田舎の優秀な人がたくさん輩出されてきたことだろう。これが悪いとは思わないし、そうだろうと思う。
ただ、コメントの意見にあったように、これって、結局親が自分のエゴを子どもに押し付けている極めて我がままな行為じゃないの?と言う一面はぬぐえない。
子供の本当の幸せを考えたら点数も良いし、努力もさせるべきだけど、努力は学業に限ったことだけじゃないし、先ずは心身の健康有っての学業よね、ってなるはずだ。頭から血を流したり、船が沈んでしまうのはやっぱりやり過ぎだ。
ハングリーだから頑張れるパワーとハングリーだから見えない悲しさ。
矛盾する両面がある。これ、本日の中国の教育観なり。