本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

こんな夢をみた

四捨五入で90歳になる父が最近、良く夢をみる、こんな夢をみたと言って話してくれた。

 

昔、何里も離れたおじさんの家からの帰り道、道なきあぜ道を通って良く迷った。この時も迷いながら、日が暮れて暗くなってようやく、家に辿り着いた。入り口には母が外に向かって座って待っていた。

 

ああ、帰ってきたかい、早く中にお入り、とお母さんが言う。

父は入り口でふと考えた。

いくら貧乏な粗末な我が家とはいえ、今日はやけに天井が低くて、狭い。

母は早くお入り、と呼ぶ。

腰を屈めて頭を低くしないと入れない。

そうか、これは墓だったのか!

と夢の中で気づいた。ーーー

 

「不思議なもので父親の夢は見ないのに、母は時々夢に出てくる」とも言い加えた。

「もうすぐ、お母さんに会えるかも知れない」と。

 

この話を聞いて、私は大きな声であかるく笑うしか無かった。

だって、しけ込んでもバツが悪いし、これはそんなに悪い話では無いからだ。真っ暗なブラックボックスが待っていると考えると怖いが、父が愛するお母さんのところに行けるのなら、怖くないだろう。

 

でも、息子は「ちっともおかしくないないのに何で笑ったりするんだ!」と怒っている。青いというべきか、優しいというべきか。

 

これ、我が家の爺じの夢の話。