本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

時の人じゃなくなった、彼も脱出組かも

今日は、まだ市民社会が元気だった2012年頃にブログの人気者だった不動産王、潘石屹(パン シイ)の近くで働いていた人に会った。

 

彼は甘粛省の農民から出発して、中国有数の不動産王にのし上がったチャイニーズドリームのような人で、当時は政府とも距離を置いた歯に衣着せぬ発言をウェイボ―でしていて、世の中でかなりの人気者だった。新しい時代を感じさせる、ニュービジネスマンだった。

 

その彼も、今ではマンハッタンにビルを買うなど資産を移動し始め、子供二人はハーバード大学とイエールに入学させ、いつでも逃げられる用意をしている、と噂されている。

 

彼の後ろ盾になっていた太子党の大物企業家もコロナの対応批判発言がお上の逆鱗に触れ、今年、パージされたばかり。そんな大物でさえ、やられるご時世。いつ、何時何があってもおかしくないというのが今の空気だ。

 

その友人いわく「潘さんは変わっていないけど、時代が変わった。もう時の人じゃない」という。

 

2012年といえばたった8年前のこと。中国中の人が注目する人気者で、一種のオピニオンリーダーでもあり、圧倒的な大富豪だったのに、今では「彼も逃げ道を確保している」と噂される存在に。この早さ。時代がジェットコースターのように動く。

油断も隙も無い。

 

これ、本日の北京なり。