本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

中国の猛烈大学受験生

中国の普段の大学入試シーズンは6月だが、今年はコロナで7月になった。丁度3日間の試験が終わった7月のある日にアパートの下の階の学覇の家族3人にばったりエレベーターで会った。テストの帰りだったらしい。

 

3人は興奮冷めらやらずという高揚感と、満面の笑みと至福のオーラにスッポリと包まれていて、本当に本当に幸せそうだった。「試験終わった?解放されたね」と言ったら、「そう、解放されたよ〜〜〜」としみじみお父さんが答えた。

 

その後数日後、又お父さんにあったときに、「娘さん、狙っているのは北京、清華大?」と適当に聞いたら、「うん」という。すごい天才児らしい。「でも、どの位発揮できたかはわからないから」と少し心配そう。

 

さらに数週間後の先週、総合点が発表された後にお母さんに又、会ったら、「うん、悪くなかった。」という金融専攻を希望らしい。

 

ここの娘さんは小学校低学年から学校に行く道すがらも英語のラジオを聴きながら通学する猛烈さん。小5年の時に清華大学附属小学校に編入して、そのままトップをまっしぐら。小学校卒業までには英単語は2000語位は習うということを聞いたのも彼らからだ。

 

娘さんは朗らかな感じと、一方でムチッと詰まったかんじ。我慢強いという大人っぽさと、勉強だけに集中してきた子供っぽさがある。感じの良い賢そうな子だし、お父さんもとても気さくで良い感じの人だ。

ただ、あの3人のエレベーターでの様子からいかに、大学受験が3人4脚の長期家族プロジェクトだったかが伝わってくる。

 

子供の人生にあんなに親が入り込んで良いのだろうか?という思いも。中学になる息子の人生から私は早くも追い出されている。高校生の娘も勉強や将来はもう彼女のことだ。

 

もう1人、高校3年生の娘の友人のスケジュールを聞いてひっくりかえった。さっきの子ほどトップクラスというわけではなく、北京市でも中位のレベルの高校に在籍する普通の子だ。夏休みもコロナで学校の補習があり、朝8時過ぎから夕方5時半まで月金で授業。夜は6時半から8時半までネット授業(確か数学と物理?)に、さらに夜は歴史だったか10時半までもう一つ授業があるのだとか。これが毎日続くのだ。そして、次の日までに終わらせる大量の宿題はこの後にやるしかない。

 

ほとんどクレージー。でもおそらく、中国の高校三年生の中上以上のレベルの子はこんな感じのようだ。

 

こうやって、我慢強く、勉強する習慣を持った子供がたくさん訓練されている。あまりの過酷さに胸が痛いが、上手に生き抜いた子はそれを血として肉として成長していくのかもしれない。

 

なんでも極端に走る中国の受験生。感心するとともに、胸が痛くなる。こんな戦場に今のiPad息子を送りこんで、生きていけるのだろうか?罪悪感さえよぎる。

やっぱり中庸は大切かもしれない。

 

これ、本日の北京なり。