本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

セクハラ裁判報道もだめよ

昨日は若い新聞界の人たちに会った。若いって素晴らしい!と思いながらいろんなおしゃべりをしたが、その中で先週あった裁判のことを聞いた。

 

事件が起きたのは2014年の事、インタビューに行った若い女性が、局トップ5に入る有名なCCTVアナウンサーの朱軍氏と二人っきりになった部屋でセクハラ(どうやらキス?)されたという。彼女がその部屋から出てきて唇を拭いている監視ビデオが残っている。

 

その話がなぜ、今出てきたかの経緯は忘れてしまったが、その当時、女性は訴えて、DNA検査のための採取までされたらしいが(ええ?それってキス以上だったってこと?)、アナウンサーはDNAも取らずそのままで、今日まで何も無くきた。

 

セクハラは本当に許せないが、もっと怖いのは、この事件をめぐる今日のメディアの対応だ。先週は裁判所の外に多くの記者がマイナス3度の中、長いこと待っていたらしい。昨日会った友人の同僚もそこに居たが、当局の人から「彼は国の顏であることを忘れるな。彼のことを書くのはわが国の恥さらしだ」と釘を刺されたらしい。

 

イヤハヤ。どっちが恥さらしなのだろうか。そうしたら、そこに居合わせたその業界の人たちは諦めのほほ笑み?ニタつき?を浮かべながら、「あれだよな、つまり、『報道しない、評論しない、転載しない』ってやつな」とすっかり慣れた様子だ。これが彼らを取り囲む過酷な現実だ。

 

いまその「3つのしない」を百度で引いたら、そのタイトルで書いたブログが2つとも削除されていた。出てきたのはこれだ。

「ごめんなさい、このアカウントで異常が発生しました。」

  抱歉!此账户出现异常,欢迎继续访问 新浪博客

 

「3つのしない」について書くようなブロガーだから、とっくの昔にアカウントを削除されたのかもしれない。「3つのしない」現象自体が、ほーどーきせーの対象になっている。鏡の中の鏡のような状態だ。

 

これ、日に日に寒さを増す本日の北京なり。