本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

密告奨励、自我自賛、目指せ世界トップの学術レベル

最近は政府があらゆる分野で密告を奨励している。(先日紹介した教育新政策にもこんな1文がある「教師の徳(=セージ性)逸脱行為通報警告制度の設立」)

 

「暗黒時代にむかっているね」と冗談めかして言ったら、大学の先生の知人は「いやいや、皆言っているよ、文革だ、って。」

 

今や授業でも少しでも何かいえば、学生が密告する。学生は先生を陥れて、自分はある組織で胡麻をすって出世しようとする。おーまいがー!!

 

先生同士でもあるらしい。だから、皆すごく慎重だ。以前のように海外ではこんな風です、中国ももっとそれに近づくようにこうしましょう、なんて発言はご法度。「日本も大したことない、実はもう全然だめ。それに引き換え、我々中国はすばらしい」というのがイマドキの理想的な発言の在り方らしい。

 

とはいえ、お上だって学問を必要としている。思想面ではきびしーく管理したいかもしれない。でも、同時に中国の学術レベルを上げてノーベル賞レベルの学者を多く育てたいと思っているという。だからこそ、一つの答えだけなく、オープンエンド式の問を強化せよ、創造性や好奇心を刺激した義務教育を展開せよと最新の教育政策はいう。

 

この二つは真っ向から相矛盾するじゃないか?!と投げかけたら、この知人は眉間に皺を寄せてこう答える「そうだよ、中国は矛盾で満ち溢れているんだよ!!」と。

 

学問の閉塞と進化!

大きすぎる矛盾である。

 

これ、本日の矛盾に満ちた北京なり