本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

2019年に変わりました

昨日は久々に昔の友人と話した。彼女は高校生になる息子さんを一人手で北京で育てつつ、自分はアジアを股にバリバリと働いていた才女。

 

彼女いわく、2019年に変わりました。

つまり、その当時彼女は北京とほーんこんやシンガポールを仕事で行き来していたのだが、北京に入る際の空港での荷物検査がぐぐぐっと厳しくなるのを身を以て体験したという。

 

それ以前はスーツケースはノータッチで、手荷物のかばんを簡単にチェックされた。

19年に入ってからは手荷物も全部出して見られ、そのうち、スーツケースも開けさせられ、その後はきれいに畳んである服もいちいち出して、その間に何かを入れていないかをチェックし始めたという。

 

たまたまシンガポールでゲットしたファイナンシャル・タイムズが入っていて、そこにほんこーんの小さな記事がでていたら、取り上げられた。何しに来たんだ?中国の連絡先も聞かれ「とても怖かった」という。そりゃそうじゃ。

 

その後、コロナ直前に冬休みを日本で過ごそうと息子さんと日本に経った以来、どうやってもビザは出してもらえず、未だに北京の部屋を借りたまま2年。

 

日本では日本人の配偶者の外国人には家族がバラバラにならないようにコロナでもビザを出しているが、この国はノー。つまり、その時日本に戻っていた日中カップルの親子はそのままこちらに戻れなくなり、北京に残っている父にも会えず、バラバラ生活。学校にも戻れず、やむなく日本での就学に切り替えている。家の片付けさえできずに。

 

ということで、なんとも残念ながらいつものらんぼーさ。

これ、本日の北京なり。

「PCR陰性とは関係ありません、あなたは高リスク人員に指定されました!」遂に隔離されたの巻き

イヤハヤ、来ましたよ、「あなたはハイリスク人員に指定されました。コントロールに協力してなくてはなりません」という電話が同居者にかかって来た。ハイリスク人員と同居している私も同じ扱いなので、週末の仕事もキャンセル。只今、4日間家から一歩も出られない隔離中なのだ。

 

発端は、同居者が10日前に行ったお店で陽性者発覚。その結果、その店で3月6日13時20分から閉店までの利用者全てが「濃厚接触者=ハイリスク人員」に指定されたのだ。我が同居者は「あなたは13時49分32秒に(デジタル行動記録を残す)QRコードをこの店でスキャンしましたね」と電話の相手に伝えられた。確かにその店で飲食したが、一緒のテーブルで食べた人が居たわけでもないし… これを濃厚というのだろうか?

 

しかも、この我が同居者はその後の3月10日のPRC検査では陰性だったのだ。そのことを電話の向こうの女子に指摘すると、この真面目そうな若い女性は「よく聞いてください。PCR陰性とは関係ありません。その時間に居た人は全てハイリスク人員です。これは北京市の要求であって、住民委員会の話ではありません。コントロールには協力しなくてはなりません。」

 

何をいってもこの最後の命令通知の鸚鵡返し。まあ、彼女からすれば他に言いようがないのだろうが、困ったものだ。

 

これにより健康キッドと呼ばれるスマホのデジタル行動記録証明に「飛び出る窓」と恐れられている警告表示がでて、モールやスーパー、飲食店など基本的に全ての場所に入れない。

 

「ハイリスク(濃厚接触)者」の隔離期間は、接触した翌日から14日目の夜中まで。我が家のケースはもう10日前の出来事だから残る隔離時間は4日間となる。14日目に家のPCR検査出張サービスでめでたく陰性が出ると仮解除となり、外出が許可される。続く7日間は「健康監察」に降格され、3回PCRを受け陰性だった場合に完全に監視を解かれ、自由の身となるのだ。つまり、来週は同居者と一緒に3回もPCRを受けなくてはならない…

 

今中国中で私のような目に遭っている人は多い。

 

まず、12月に上海のユニクロ店でいきなり入り口のドアが閉鎖されて、たまたまその時その店舗内に居た人全員が24時間店内に閉じ込められ、寝袋を渡され店内に宿泊。全員に行ったPCR検査結果が陰性と分かって翌日ようやく解放されたという。何と恐ろしいことだろうか。

 

北京の外交アパートでも陽性者がでたビルは2週間完全ビルごと閉鎖!隣のビルに事務所がある知人は器材をその話を聞いた途端にオフィスから持ち出したという、2週間も仕事ができなくなったら大変だ。

 

更に、別の友人のオフィスの斜め前のビルに陽性者が寄っただけなのに、彼のビルも午後数時間入り口を閉鎖されて身動きが取れなくなったという。幸い数時間で開放されたらしいが、寝袋を渡されてそこで一晩、いや何日も、というケースは報道こそされないがかなり起きている。

 

昨日、そういえば悪い予感がしたのだった。コロナ対策グルチャという我がアパートの住民委員会が組織するグルチャで誰かが「我がビルにも隔離されている人がいるんですか?」と聞いていた。しかし、住民委員会はだんまり。その時、一瞬、むにゅ?と何か嫌な予感がした。開けてびっくり!私が加入させられた「毎日2回体温報告グルチャ」にはこのアパートに住む97人が登録しているじゃないか。

 

こーあんや住民委員会などの関係者もいるが、監視対象の世帯がざっと90軒。うち、同居者がいる場合は全員アウトだ。つまり、今現在、ざっと150人前後が我がアパートから一歩も出られない生活を強いられているということになる。

 

友人たちに「家で隔離された~」と伝えたら笑って「まあ、4日間だけで良かった」「家なんでしょ?よかった」と皆さん明るく前向き。まあ、怒らずに水に流すのが自分のメンタルも体力もエネロスが少ないのだが、肝心なこの防疫メソッドが果たしてベストなのか?については議論はごはっと、よって全くな~し!

これ、3月の雪に震える本日の北京なり。

エレベーターでの「気まずさ」に生きる若者達

最近の中国の若者は90年代に私が北京に来て感動した太くて温かい(その反面、時に図太かったり、カッコ悪かったりすることもある)タイプの人とは正反対だ。

 

細い。ちょっと風が吹くとポキッと折れてしまいそうな感じだ。もちろん、よく言えば、敏感で繊細でもある。日本のまんがへの強い共鳴はそういうセンスゆえかもしれない。

 

去年の人気番組の漫才(じゃなくて、1人のトークだけど)ショーのお題「距離をおいて、でも繋がっていよう」のトークにちょっと寒い思いがした。

 

25階のオフィスに行くエレベーターでばったり同僚に出会った、「おお」「おお」と挨拶するが沈黙、まだ4階だ。相乗りタクシーで会社から45分の帰宅の帰り道が一緒になっちゃった。相手は乗った途端に寝てしまったのを見て、「ああ良かった」とほっとする。実はその相手も「しめしめ自分の狸寝入りがバレなかった」とほくそ笑む。コンビニで知り合いを見かけた、相手が店をでるまでずっと隠れてた、という細い若者達の胸のうちを語る面白話。

 

これって、自意識過剰で、深刻な自信不足ゆえの無駄なうごき?とおもえてしまう。もっと大らかにぼうっとするなり、勢いに任せて話すなり、自由にすれば良いのに。

 

こういう細やかで色々考えてしまう人が今の若い人達の間ではすごく共鳴を得るんだなあ。このトークの評価はすごく高かったし。

 

数年前から、気まずいおしゃべり(尬聊)という新語もある。みんな、色々なことに気まずさを感じている。自分でアッハッハと笑って誤魔化す太さや大らかさは過去のものになりつつある。

 

これ嵐のように急変する北京の若者の内心の風景なり。

 

スポーツジムもユニセックス

昨日は、大手スポーツアプリKEEPのスポーツジムでZUMBAクラスに行ってきた。予約は先週金曜の夜10時から。お財布携帯で支払いをすませて、当日その時間に行くだけ。2人までまとめて買うと安く、1人49元だった。定価は89元だが、初回は30元割引で59元。

 

行ったのは東にあるモール5階のジム。受付でQRコードをスキャンして、ロッカーの鍵をもらい、4つのボックス更衣室で着替えて、あとは踊るだけ。先生はすごい濃い化粧の30代のイケイケラテンダンサー。最初に一言あったが、あとは中休み5分を挟んでひたすら踊るだけ。終わったら集合写真を撮ったがそれだけで終わり。一言も誰とも喋らずに参加できるシステムだ。

 

来ていた人達同士でもそれほどおしゃべりするわけでもなく皆んな静かだ。肩をだしたり、それなりに今風な格好をした人に混じって、2人の男性も。1人はバスケのランニングに刺青をした腕が光る。もう1人は小太りで普通の黒いTシャツのごく普通の感じの人。ラテンのちょいセクシーっぽい振り付けもあったが、飄々とおどっている。

 

18人くらいの参加者の2人だけ男性だが、本人は勿論、周りの女性も誰もそれを気にしていない。この辺のユニセックスな空気はとても北京的だ。日本だったらたぶん、こうはいかないだろう。大陸的で他の人がどうのということをみんなあんまり気にしない。

 

先生に「どこでダンス勉強したの?体育大学とか?」ときいたら、「子供の頃からやっているんだ」といっていた。「wechat交換しよう」と一緒に行った友人が申し出たら、「公式サイトを登録してね」と断られた。集合写真でも自分の携帯で顔を覆っていた。モダンな人なんだろう。

 

これ、本日の北京のワンシーンなり。

次回はセクシーダンスというクラスに行こうと思う。

 

コロナで家に帰れない~涙!

昨日は北京のコロナ新規感染者数は1人だったが、この10日ほどで厳戒態勢になっている。昨日、新規患者がでた昌平区に住むある日本人は子供を連れて外にでたあと、家にもどってきたが、その間に始まったマンション群の入り口検問で引っかかり、けいさつまで連れて行かれたという。

 

検問で検査されるのは携帯電話の移動記録から判定される健康コード。10月13日以降、30日までに165人の感染者が出た内モンゴルなど、『ハイリスクエリア』を経緯した場合、コードは赤くなる。全く感染者の出た場所に行っていず、行っても戻ってきてから2週間以上立った場合は緑になって晴れてどこでも出入りできる。北京の大手モール入り口や、スーパー入り口ではこれをチェックされる。

 

とはいえ、去年のコロナ初期の頃ほど全員が厳しくやっているわけではないので、無くても、ギリギリどうにかなる。私のマンションの入口でも、すぐ下のローカルスーパーでもこんなことはやっていない。

 

それが、急に昨日の午後からいつものように予告なく!導入されて、知人は大変な目に遭ったという。彼女がみつけたアプリは中国人対応で、日本のパスポート番号は受け付けてもらえなかったのが原因のようだ。微信に入っている方のアプリからやったらできたと。(そのことを検査をする方の人も知らなかった。)

 

ということで、うかうかしていると、子連れのママさえ自分の家にも帰れなくなる。キビシー北京の一コマなり。

 

おまけ。今回の内モンゴルから広がった感染の各地の対応はこんな感じ。

10月13~30日までの累計感染者は内モンゴル165例,(おそらく隣接するモンゴルから感染)

19~30日まで累計感染者数は甘粛省は95例,北京は28例。(内モンゴルに旅行した人が持ち込んで拡大)

 

内モンゴルでは道路、鉄道、航空の一部を閉鎖。

甘粛省蘭州市では「小区閉鎖式管理」*つまり、アパート群の入り口から外には出られない住民自宅閉じ込め作戦。店舗の3分の1に当たる12.84万店を閉鎖。交通も最低限以外は運休。知人の村も閉鎖されているらしい。住民は身動きが取れない。

北京は結婚式やフォーラムなどを削減するよう指導。外省への移動は最低限に、外から北京に入るのも大変になった。昌平区など感染者が出た一部のアパート群も封鎖。(ルール詳細を書いた微信は今日みたら消されていた。)

我がアパート住人の数百人が入っているグルチャにもこんな緊張した会話が!

「X号楼にも内モンゴルから15日に戻った人がいるからビル全部が封鎖されたって本当?」、「いや、自宅隔離でしょう、ビル全部ではないはず」、「13日には感染者が公表されているのになぜ戻ってきたんだ?」

→ここから当地の緊張度がわかってもらえるだろう。感染者お断り、一人でも出たらビルごと封鎖すべき、というくーきだ。

 

同じ病気とは思えない。東京では22人で喜んでいるというのに。大丈夫だろうか?両方とも心配だ。

 

 

 

 

相手を見つけるのは辛いよ

30代の若者との会話。彼は一人っ子で北京の親元で暮らしている。未婚だ。昔は親が『正常な人間らしくさっさと結婚したら?」、「親戚の誰々は結婚して子供を生んだ、お前は?」と結婚をよく迫られたが、半年前に彼が失恋して落ち込んだあとは言わなくなったという。

 

半年前に付き合った女性は彼のちょっとした持病のことを女性の母親が反対するから、という理由で去っていったという。私が驚いたのはその持病があまりに軽い病気だからだ。そんな誰でも有るような普通の病気で、おそらく、日本だったら誰も気にしなそうな病気だ。

 

彼は「今は結婚相手に求める要求は多いんだよ、家、車、健康もね」という。

 

おしゃべりで明るくて人生を楽しむのが上手な好青年なのに、こんなふうに結婚を前提とした相手のことで影を持っていたとは!

 

中国では高校までは恋愛は勉強に差し支える不良行為として禁止されている。大学ではようやく解禁されるが、卒業するやいなやさっさと結婚しろと親は言い始めるのだから、子供はたまったもんじゃない。

 

失敗するなら若いうちでしょう。若者よ、プレッシャーや偏見にめげず、頑張って良い相棒を見つけておくんなさいまし。

これ本日の北京の若者の悩みなり。

 

 

北京、コロナ患者5人!で再び緊張す

東京では感染者が昨日も21人と減り、夜の営業が数カ月ぶりに再開され、緩和ムードの一方、北京は19日以降28日14時までに、内モンゴル旅行から広がった感染者が合計27人でている。

 

それを受けて、北京にある大学も今週末の24日から「閉鎖管理」に突入してしまった。(モンゴルで流行っている感染が国境を超えて入ってきた可能性が高い。)大学生が学外に出られないため、この週末に大学生が多く参加する予定だった某シンポジウムも中止になった。

 

今日行った雍和宮も27日0時から閉鎖。北京市の昨日の新規感染者は3人だけなのだが、すごい。大学ではこの閉鎖管理が全国的に行われているらしい。北京の人民大の留学生は校外には出られない生活に舞い戻りだ。去年は1月から10月まで10ヶ月もこれだったというからひどい。一般市民は去年の夏以降は自由に行動しているのに、なぜ、大学生だけ、校内に閉じ込められ続けるのか?

 

これに関するほーどーはほとんどないのだが、少しずつこぼれ出ている学生の投稿などによると、先生や職員は自由に出入りできるのに、学生だけが中に閉じ込められている大学もあるらしい。「その理由は簡単さ。教育省は各学校がトップ責任制で管理せよと命令している。万が一感染者が出た時はトップの首が飛ぶ。このコストはあまりに大きい。その一方で、学生を閉じ込めたところで、下からは何も反応はないのだから、ギューギューやるに限る。学生が不平を言ったら『卒業資格と態度評価』をチラつかせれば良いのだから」という。

 

学校は最近、セージ的、経済的な色彩を強めていると合わせて指摘し分析している冴えた大学生もいるが、多分大多数は無駄な抵抗は避けて黙って従うのみだ。自分の首と学生の不便を天秤にかけている学校指導者にとっては、学校の門を開けるインセンティブは微塵もない。地方の学校では寮の部屋に閉じ込めるルールを実施している学校もあるらしい。これが中国の近年の大学生の現状だ。

 

感染予防は大切だけど、いやはや、日本はこんなにのんびりしていて大丈夫か?という心配とともに、北京はここまでやるか?という驚き。本当に同じ病気?!いや間違いなく、同じビョーキ!である。

 

PSもう一つ気になるのがワクチン接種状況に関するじょーほーがないことだ。7月半ばまでに18歳以上の2回接種率が約9割、10月27日までの北京市の接種数は4250万本、累積2047万人が接種しているという!北京の公式な常住人口は2189万人だから単純計算で94%!でも、なんでこんなに?