本日の北京(2020年ブログ版)

軽く、リアルに北京を語るライターブログ

北京の車ライフ

北京で私は車を運転していない。まず、タクシーがすごく安い。15キロ位移動してもたった50元程、つまり800円程度だ。最近は滴滴という中国版UBARもあるから、もっと安い。(でも、滴滴は車内で録音・録画を平気でしているから嫌いだ。)

 

そもそも、北京で今や新車を買うのは滅茶苦茶大変だ。なぜなら、総量規制をしているから、ナンバープレートが手に入らない。くじ引きなのだが、くじ引き参加資格が5年の保険料納入証明とか「信用度」とか色々ある。それをクリアして参加できた所でガソリン車だったら2000倍以上の競争率が待っている。ほとんど、無理だと思った方が良い。新エネルギー車だと50倍~100倍位に倍率は下がるが、それでも相当なもんだ。

 

最近は新エネルギー車が身近になってきた。先日乗ったタクシーも純電気自動車だった。昔は房山区などの田舎で試験的に導入していて乗りに行ったことがあるが、今や市内でも普通に走っている。叔父さんの反応は微妙だった。自分を励ますように「还行!

まあまあよ。」とはいっていたが。ガソリン車の運ちゃんは皆口を揃えて『電気なんかにされたら商売あがったりよ。たまったもんじゃない。せっかく長距離の空港行の客を捕まえても、走っていけねえよ。冬場は150キロ位しか走れないからな」という。

 

今日乗った運ちゃんにも聞いたら、ただでさえ、日頃から自分は高い自動車使用料をタクシー会社に上納させられて搾取されているのに、その上に電気自動車だって?と怒りだすものだから、それ以上おしゃべりできなくなってしまったほどだ。運ちゃん達は怒っている。

 

田舎の平屋に住んでいれば夜中に半額に成る安い電気代で充電できる。するとガソリン代の3分の1くらいの燃料費で済むらしい。でも街中の高速充電ではそこまでは安くない。でもガソリンよりは安い。だから、どんな家に住んでいるかがポイントになる。

 

田舎に住んでいるおとなしい人なら新エネルギー車にするかもしれない。都市部の威勢のよい気の短いおっちゃんだったら、「そうなったら、もう運転手はやめる」と息巻いている。

 

新エネルギー産業は未来の希望産業。各都市は一生懸命導入しているポーズを中央にも示さなくてはならない。そのためには、タクシーの電気化というのは一番やりやすい。目に見え易いしね。そして、市民にももっと広く利用してもらうには充電施設の拡充がカギだ。今のところ、有ることはあるが、十分ではないらしい。

 

北京のカーライフ。これからどんどん電気化されるのだろうか。そうあることを願いたい。だって、この街を真っ白にしているPM2.5の最大の排出源は車なのだから。

これ、本日の北京なり。